杜~フォレスト~

ぼくが考え、書いてきたこと

図書館の神様

【164】図書館の神様

 

 

【16/07/21】成り行きで高校の国語科講師になってしまった早川清は、これまた成り行きで文芸部の顧問となった。部員は三年生の垣内君ただ一人。一年間の「部活」を通じて、ゆっくりと清の心はおだやかになっていく。とりわけ、物語の最後に届いた手紙が清を励ます。▼「神様のいる場所はきっとたくさんある。私を救ってくれるものもちゃんとそこにある」。▼ただし、Amazonの紹介にあったような「傷ついた心を回復していく再生の物語」というのとは、ちょっと違うと思った。▼短編『雲行き』を付す。

 

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後年、『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞することとなる瀬尾さんに接した最初の作品。