杜~フォレスト~

ぼくが考え、書いてきたこと

功利主義者の読書術

【169】功利主義者の読書術

 

 

【16/08/02】「知識人」の役割として、直面する問題が何かということを指摘し、提示することがある。佐藤さんは、そうした「知識人」の一人であると思う。一貫して述べられているのは、新自由主義の下での資本の自己増殖による社会の侵食と、国家による暴力的な収奪の共犯関係、つまり中間層の「貧困」がもたらす社会の不安定化ということだ。これに抗するのは容易ではないが、自由な討議に基づく、市民性の回復とでもいうことを対置させていると考える。別の言葉でいうと、一人ひとりの「知的武装」ということになるだろう。