こんにちは。
以下に掲げるものは、2020年5月2日にnoteとして一回は公開しているものです。ごく一部の加除以外は変更の必要がないと判断いたしましたが、「10冊」をいつかは再選定してみたいとは思っています。
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「名刺代わり」というのは、自己紹介的に、「私はこんな本を読む人間です」「こういう本の影響を受けてきました」等々のあいさつをするといった意味だろうと思っています。自分という人間を象徴するような10冊と言ってもいいかもしれません。
ところで、私は小説の「よい」読み手では全くありません。それは、質・量の両面においてです。今までは、どちらかと言うと「◯◯新書」というようなものを多く読んできました。小説も読むようになったのは、ネットを通じて知り合った友人の影響です。
というわけで、10冊を選んでみました。以下に掲載します。われながら、見事にバラバラな選書となったと「自負」しています。なお、掲載の順番は、「優先順位」ではありません。得に意味はないことをお断りしておきます。
1)錦繍(宮本輝)
心中事件が原因で別れた夫を偶然見かけたことで、二人の間で始まった往復書簡という形で進行していく、男女二人の「再生」の物語。
2)カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)
光文社古典新訳文庫版。三兄弟の父を殺したのは、果たして長男なのか。魂の真実を抉ろうとした、ドストエフスキーの巨大な金字塔。
3)モモ(エンデ)
時間泥棒との戦いを通して描かれた、生命の詩。
4)羊と鋼の森(宮下奈都)
1人の青年が、調律師としての成長を遂げていく清々しい物語。
5)楽園のカンヴァス(原田マハ)
名画の真贋と、その秘密をめぐっての攻防を描く「美術ミステリー」。
6)こころ(夏目漱石)
親友・Kの自殺が「先生」に遺したものは何だったのか。
7)影との戦い(ル=グィン)
魔法使いとしての大成を誓うゲドと、彼が呼び出してしまった「影」との攻防を描く壮大なアースシー物語の第一章。
8)みかづき(森絵都)
三代にわたって私塾の経営をしてきた家族を描いた、戦後教育史としての一面も備えている物語。
9)君たちはどう生きるか(吉野源三郎)
おじさんとの心の交流を通じて成長を遂げていく中学生・コペル君。「人間としての成長」とはどういうことかを考えるレッスン。
10)等伯 上・下(安部龍太郎)
信長・秀吉の時代を生き抜いた絵師・長谷川等伯の半生を描く。
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【追記】
以上を書いた2020年5月以降、「10選」に入りそうなものがあったかというと、いささか心許ありません。「敢えて」いうと、次のものが入りそうです(入れ替え作業は当分できそうにないです)。
新)あのころはフリードリヒがいた(リヒター)
再読。ヒトラー政権下のドイツで、親友だったユダヤ人の少年を襲った、残酷な運命を描いている。
新)流転の海 全9部(宮本輝)
2024年6月現在、第6部まで。50歳にして、初めての実子・伸仁を得た松坂熊吾と妻・房江ら親子を中心に巡る眷属たちが織りなす小宇宙を描く大河小説。
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今回は以上といたします。以後、追記をする場合があるかもしれません。その節はよろしくお願いいたします。お読みくださいまして、ありがとうございました。