杜 ~フォレスト~

ぼくが考え、書いてきたこと

戯れうた(24/07/05)

91)風のない35℃の暑き夏したたる汗にタオルも濡れる

92)海よりも大空よりも広きものそれが精神(こころ)と文豪謳いぬ

93)寝つけない夜更けのテンション午前二時いっそ起き出し本でも読むか

94)わが為に灯す灯りは小さくも世界を灯すことばの灯り

95)眠れずに独り夜更けに哀しみを合わせて紡ぐ幸いのうた

96)熱帯夜開いたスマホの着信はこんな夜更けに詐欺メールかよ

97)こしいたい並べ替えるとこいしたいわが身哀しきアラカンの夏

98)父母と交わす小さな物語言の葉紡ぎ歴史残さむ

99)か細くて飛ばされそうな手だけれどやがて大樹と君は育たん

100)若き日のはかなき想い破れども生きてる限りわれは敗れじ

101)幾重にも想い出多き彼の地より届いた便り黒き縁あり

102)「子どもでもわかる」と言うな失礼だ大人は何も知らないくせに

103)力あらば何をしたって許されるこんな社会に誰がしたんだ

104)ヴァルタヴァの水面に映ゆる高き城故国に響け古の曲

105)だいじょうぶ誰も人生最後には帳尻合うようできているから

106)明細が一枚入っているだけで机に立たない給料袋

107)悲しみは半分こにしうれしさはおすそ分けして共に相和す

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この日(24/07/05)に詠んだのは17首でした。通院の日ではありましたが、出かける前にまとめて詠んだものと思われます。