目次
はじめに 誰もが楽しめる『百人一首』
第1回 「外から」見た魅力と謎
第2回 古典文学への入口
第3回 リメイクの広がり
第4回 時空と国境を超えて
もう一冊の名著 田渕句美子『百人一首――編纂がひらく小宇宙』
第1回:小見出し
- 日本の和歌とは
- 西洋の poetry とは
- 和歌と poetry の違い
- 『百人一首』の特徴
- 和歌の持つ普遍性
- 日本独自の美意識を強調した歌
- 日本で発見した謎
- 『百人一首』という名前
- なぜ広まったのか
- 選ばれた歌は優れているのか
- 女性歌人の技巧的な歌
- 『百人一首』の英訳〈一〉
- 『百人一首』の超訳〈一〉
ノート
※ 11/7(木)以降、追記がされる場合があります。
引用された歌
1)二九 心あてに折らばや折らん初霜の置きまどはせる白菊の花 凡河内躬恒
2)四 田子の浦にうち出でてみれば白たへの富士の高嶺に雪は降りつつ 山部赤人
3)四六 由良の門を渡る舟人梶を絶え行方も知らぬ恋の道かな 曾禰好忠
4)九九 人もし人もうらめしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は 後鳥羽院
5)六六 もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし 大僧正行尊
伊勢物語 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 在原業平
伊勢物語 散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき よみ人しらず
6)四五 あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな 謙徳公
7)八八 嘆けとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな 西行法師
8)九 花の色はうつりにけりないたづらに我が身よにふるながめせしまに 小野小町
訳)Like these paling cherry blossoms
the blossom of may youth that's faded
was one that bloomed vain―
Recalling my scattered loves of long ago,
I gaze out on the endless rains of spring.
9)六〇 大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天の橋立 小式部内侍
訳)No letter's(stamp) come from my mother
nor have I sought her help,
crossing Mount Oe.
talking the Ikuno Road(going alone)
to her home beyond the Bridge of Heaven.
※ 下線部に( )内の「ルビ」が振られていました(引用者注)。